無題

つらつら書いてるだけ

サッカー日本代表戦の雑感

サッカー日本代表、なんとかオーストラリアには勝ちましたね。
何よりも結果が必要な試合だったので、一安心です。

試合雑感

さすがに田中碧は使うとは思っていましたが、システム変えてきたのが意外でした。突貫とはいえ、それなりに機能していて久々におもしろかったです。
ただ、テコ入れの弊害で、選手の消耗度が大きく、疲労が出てた後半の時間帯にもう少し効果的な采配ができたんじゃないかなあとは思います。

「4-3-3」なんてよくできたなと思いましたが、ハリル時代の経験と川崎組の経験の融合だと思うと、スタメンの選び方含め納得です。
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ハリルホジッチ元監督が、ワールドカップ・ロシア大会出場を決めた大一番で繰り出した[4-3-3]の方が、コンセプト面でほぼ一致していた。
2017年8月31日に場所も同じ埼玉スタジアムで、相手も同じオーストラリアだったアジア最終予選。日本は2-0の快勝とともに、1試合を残してロシアへの切符を手にした。
アンカー長谷部誠の前方に配置されたインサイドハーフの山口蛍と井手口陽介が、猟犬をほうふつとさせる運動量でオーストラリアにプレッシャーをかけ続けた。
今現在へと連なるポゼッションスタイルに転じていたオーストラリアは、攻守両面で手詰まりの状態を強いられ、まさになすすべなく完敗を喫している。

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攻撃については、4-3-3のシステムで4-4-2の守備ブロックを崩すのは、昨シーズンから今年にかけて川崎Fが何度も経験してきているシチュエーションです。この時期に川崎Fに在籍していた守田と田中にとっては専売特許と言っていいものです。

森保監督

森保監督の進退問題もいったん保留になるでしょう。おそらく賛否の否の方がまだまだ多いでしょうし、個人的にも、不安要素が多いとは思います。ただ、少し落ち着いて考えると、消極的理由からですが、森保監督留任が一番マシのような気がしてきています。
なぜかというと、今すぐ任せられる後任がいなさそうだから。これに尽きます。サウジ戦の後に一部で報じられた後任候補の名前を見た限りでは、次も日本人監督を優先して探してそうなんですよね。でも、日本人の指導者の中では、森保監督は相当実績がある方です。もはやJFAの問題ですが、有力な後任がいない以上、森保監督がこの窮地で一皮むけるのを待つ方が期待値は高いような気はしています。

正直、もう何やっても批判されるゾーンに入っているので、挽回は厳しいでしょうけどね。こびりついた悪いイメージを払拭するのは本当に難しい。
仮に同じことをやって勝っても、森保監督なら「まだ分からない」と言われ、後任の監督なら「立て直し成功」と言われるんだと思います。

長友と大迫

この2人も、森保監督同様、120点以外批判されるゾーンに入っちゃったな、という印象です。

大迫は、大柄なオーストラリア相手に前線でのキープを期待っていう起用意図も分かるし、そこは十分に仕事をしたのに、数度の決定機を外したことで、むしろ低評価をつけられています。「これまでも外しているから」という理由が、この試合の評価に与える影響が大きすぎるように思います。
一方で、ようやくワントップで起用された古橋は、決定機を外しても「チャンスを作った」「得点の予感がした」とポジティブな評価になっていることを考えると、先入観の怖さを感じます。

そして、長友。これまでのネガティブイメージと失点に絡んだことで、かなり叩かれていますね。正直、叩かれるほど悪いとは思えなかったんですけれど。かなりプレッシャーのかかる試合に経験値重視で起用されたのは妥当だし、少なくとも前半は、運動量も豊富で攻守に貢献していたと思います。まあ、右サイドに比べて、明らかに前半から狙われていて、後半には疲労で運動量も落ちていたので、もっと早くに交代した方が良かったのは確かでしょう。
ちなみに失点シーンは、地上波の中継でリアルタイムで見ていたときは長友が100%悪いと思っていましたが、ちゃんと見直すと、長友だけの問題じゃないのが分かりました(とくにDAZNの裏チャンネルの縦カメラで見ると分かりやすいです)。個人的な感覚だと「長友45、古橋15、南野15、守田15、富安5、吉田5」くらい。
もともとシステム的に中盤のサイドが空きがちになるなか、さらに急造でやっているのだから、解れが出てしまうのはある意味では当たり前です。前半はスタミナも判断力も十分にあってケアできていましたが、運動量が落ちて穴が目立つようになってきた中で起きてしまった失点でした。
失点シーンはほとんどのハイライトが、長友の寄せが遅かった辺りからしかないので分かりにくいんですが、その前に、古橋、南野、守田が相手にプレスをかけに行ってるんですよね。本来なら連動してプレスをかけて、コースを絞ってボールを奪う手筈なんですが、この動きが中途半端かつズレてしまっていました。連動していないので軽くかわされて、問題のサイドの選手にパスが出ます。この時点で、長友はかなり不利な状況です。相手がフリーになっている以上、誰かがプレスをかけに行かなきゃいけない。あの位置で長友が間合いを保っても、相手は自由にボールを運べてしまうので、積極的にプレスに行ったことはあながち間違いではなかったはずです。長友があの選手に一番近く、かつパスが出た瞬間には飛び出しているので、タイミングも悪くはありません。長友に少なくとも前半のようなキレが残っていれば、プレスは間に合っていたかもしれませんが、それよりここで問題なのは、長友がプレスに飛び出したときに他の選手が反応できなかったことでしょう。富安はカバーに入ろうとしているようにも見えますが、富安がカバーに入った場合に空くスペースをカバーする選手が反応できていなかったのか、カバーに入らず、結果的に中途半端なポジショニングになってしまっています。

なので、これ単なる言い訳でも責任のなすりつけでもないんですよ。
長友佑都が失点シーンについて言及「ディフェンスラインみんなで確認して出た結論は…」(SOCCER DIGEST Web) - Yahoo!ニュース

失点シーンはディフェンスラインみんなで確認したけど、前が3対3の状態になっていた。結論は僕がSBに出て、冨安(健洋)がずれて、(吉田)麻也がスライドすることができれば問題なかったということに、選手たちではなった。

元日本代表・中村憲剛に聞く“直接FK献上シーンは何が起こっていたの?”「判断がとても難しい局面だった」(Number Web) - Yahoo!ニュース

守田が対応したことで相手ボランチへのタテパスは防ぎましたが、左サイドに展開されます。パスを受けた右SBに対しては、長友が少し長い距離をスライドして出ていきました。守田がプレスをかけた時点で最終ラインが連動して押し上げられなかったので、長友が出ていく距離が長くなったのです。

長友の裏へ走った選手には、左CBの冨安健洋がスライドしようとしました。しかし、右CBの吉田麻也のスライドが間に合っていなかったため、スライドをやめて中央を守ることにシフトしました。ゴール前を手薄にしない意味では、冨安の判断は間違っていなかったと思います。

問題は前段階の部分です。守田にプレスへいかせるのなら、後ろがコンパクトであるという前提を作るべきだと思います。後ろがカバーできる距離感にしておかないと、このシーンのようにそれぞれがスライドをする距離が長くなり、間に合わなくなることで最終的に走られた選手を捨てなければならなくなります。プレスにいかせるならコンパクトにしたうえで、いかせないなら声をかける。

後半は押し込まれる時間帯もありましたし、判断がとても難しい局面だったかもしれませんが、そのワンプレーでスコアが動いたのは事実です。4-3-3の泣きどころを突かれた意味では、このシステムで同じ現象が起きそうな時にどう対処するかを、チーム全体でしっかり共有しておくべきでしょう。

どちらかと言えば、試合運びの問題なので、監督のせいでもあるかもしれませんが…。
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まとめ

オーストラリア戦はおもしろかった。
とはいえ、試合運びの面では改善の余地ありありだと思うので、森保監督のさらなる進化を期待したい。